2008。

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あけましておめでとうございます。もう三が日も終わっちゃいそうですが、とりあえず新年の挨拶ということで。
年末ちょっと忙しなく走り回ってたしわ寄せがきたのか、元日より風邪をひいてしまい、文字通り「寝正月」を過ごしております。皆様はお元気されておりますでしょうか。
周囲も、そして自分自身もいろいろと変化のありそうな年。常に前向きに新しいことに取り組んでいきたいと思います。

…これだけではなんなので、年末年始のTV番組を観た感想でも書いちゃおう。長くなるので折りたたんでおきます。

N響第九。
今年はアメリカ人指揮者アンドリュー・リットン氏。テンポ設定は速すぎず遅すぎず。アーティキュレーションの表現が特徴的で、レガートとスタッカートの描き分けがかなり明確になされていました。N響って残響の小さい場所での演奏に慣れちゃってるのか、割と「余韻まで弾いちゃう(吹いちゃう)」印象が強いんですが、特に4楽章、アクセントの音を非常に短く切って処理していたのは観てるこっちがドキドキ。結構新鮮な演奏でした。
番組構成上、スタジオで前説があってそのあと本編を放映って形ですが、今回は合唱指揮の先生をゲストにお招きして、合唱のリハーサルの様子なんかも交えていろいろお話されてました。第九とかでの合唱指揮(指導)って普通はあまり表に出ることはなくて、せいぜい演奏終了後に袖から引っ張り出されて1回お辞儀するかしないかって感じなんでしょうけど、大事な役割だと思うんです。番組としてそういう部分に焦点を当てているのは好感が持てました。
それと少し関連して、「N響アワー」なんかでも最近リハーサル風景の映像なんかがよく放映されていますが、こういうのもっとやってくれないかなーと思います。音楽やってる人なら誰でも興味あるだろうし、知らなくても「作る過程」や「裏側」を見て音楽に触れてみたいって思う人はきっといるでしょう。


年の初めはさだまさし。
特別さだまさしが好きってわけでもないんです(嫌いでもないですよ!)が、この番組だけはほんと好きなんです。このゆるーい感じがいいんです。


ベルリンフィルのジルベスターコンサート。
ラトルが常任になってからしばらくはその斬新な企画にいろいろと批判も多かったようですが最近落ち着いてきましたね。ちなみにNHK-BS2では2004年〜2007年(生中継)分を4夜連続放送。"名演"として名高い内田光子さんのモーツァルト-ピアノコンチェルト20番(2006年)もまた聴けちゃいました。
2007年はロシアの音楽にスポットを当てて、ボロディンとムソルグスキーの作品から有名なものをいくつか。
オープナーはボロディンの「ポロヴェツ人の踊り」(「だったん人の踊り」として有名ですが、これは誤訳ですよね)。色彩豊かなベルリンフィルのサウンドはこういう民族色の強い曲にもマッチしてますね。
続いて交響曲第二番。第3楽章のアンダンテは高校1年のコンクールでやった曲なんです。懐かしいなぁ。
プログラム後半はムソルグスキーの作品。まずは歌劇『ホヴァンシチナ』から前奏曲「モスクワ河の夜明け」。あまり有名ではありませんがムソルグスキーらしい情景描写に富んだ小品です。
最後に組曲「展覧会の絵(ラヴェル編)」。ラトルの解釈は悪く言えば教科書的、よく言えば「誰にでも違和感なく聴ける」って感じ。世に広く出ているカラヤン/ベルフィル盤に近いというか。
ラヴェルが書いたスコアは「完璧なアレンジ」とよく評されますが、一方で原曲のピアノスコアにある音楽的要素が一部取り去られているのも事実です(そもそも"プロムナード"1つ削ってますし)。そのあたりの不自然な空白をどういう風に埋めてるかってのがこの曲を聴く一つの愉しみだったりするんですが、その点について言えば今回のはちょっと物足りない感じがしました。もちろんオケの音に関しては大満足です。やっぱベルリンフィル上手いなー。アンコールはショスタコのド派手な小品。


ウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
元旦夜のお茶の間定番ですね。今年はフランス人のジョルジュ・プレートルが指揮。それにちなんでかプログラムにもフランスをはじめ国際色豊かな曲目が並んでました。
毎年そうなんですが、ウィーンフィルで聴くシュトラウス一家の音楽はどうも心地よすぎるようで、どこかでついウトウトしてしまいます。
アンコール1曲目はヨーゼフ・シュトラウス『スポーツ・ポルカ』。今年はオーストリアでサッカー欧州選手権開催とのことで、プレートルはサッカーボールを持って指揮台に上がり、ホイッスルを吹いて演奏開始。楽団員は赤い襷(オーストリアのチームカラーなんだそうです)をを掛けてました。途中、コンマスの悪ふざけにプレートルから「イエローカード」、それに対して曲の終わりにホイッスルを吹いたプレートルにコンマスから「レッドカード」。ちょっと寂しそうに「退場」していくプレートルの背中が印象的でした。
「青く美しきドナウ」はバレエの人が会場内を闊歩するという演出つき、「ラデツキー・マーチ」は例年になく活気溢れる演奏でした。
来年の指揮者はバレンボエムだそうです。R.シュトラウスでも振るんでしょうか。


よくみたら全部NHK。まあ民放つまんないからいいんですけど(笑)。

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